2017年10月25日水曜日

大福帳のちょうどよさ

大福帳.js は、昨年の夏休みの終わり頃、10月からの授業に間に合わせようと、やっつけ仕事的に作ったものです。早いもので、あれから1年以上が経ったことになります。

ソフトウェアとしての大福帳.js は、別段、技術的に優れたところもありませんが、「大福帳」という仕掛けそのものは、日本の大学の学部授業で使うのに実に「ちょうどよく」できているなぁ、と強く感じるようになってきました。

以前に、アメリカの大学で半年ほど過ごしたとき、学部生達が教員の部屋の前の廊下に列を成して「オフィスアワー待ち」をしている様子を目にし、学生が熱心なのは良いことだろうけれど、ああやって、一人ひとりに対応するのは大変だなぁ、と思ったものです。

ただ、同僚(物理が専門)が言うには、「ここの学生たちは、速度と距離と時間の関係すらちゃんとわかっていないんだ・・」とこぼしていたので、学生の熱心さは必ずしも学力とは比例していないようでした。

それに較べて、現在勤めているこちらの大学の学生はあまり質問に来ないので、楽といえば楽ですが、張り合いもありません。オフィスアワーを設けても学生がほとんどやって来ないのなら、代わりに、その時間を使って大福帳にコメント記入したとしても、過剰な負担増ということにはならないかもしれません。


2017年10月5日木曜日

学生による授業評価の結果

前年度にはじめて大福帳.jsを使って行った数学の授業の学生による評価結果が送られてきました。封筒を開けるとき、ちょっとだけ緊張しました。同じ科目を一昨年度も担当していたので、それと比較したのが以下の表です。

質問事項評価の平均
(2015年度)
評価の平均
(2016年度)
内容は整理されていたか4.44.5
十分な説明を心がけていたか4.44.8
わかり易く論理的に説明したか4.34.5
重要項目を明示したか4.54.5
進度は適切だったか4.34.3
教員の熱意を感じたか4.34.6
シラバスを基本にしていたか4.14.4

「教員の熱意」が上がったのは「大福帳効果」として何となく納得できますが、授業の内容や使った教材は全く同じだったので、いちばんポイントが改善されたのが「十分な説明」だったのは、少し意外でした。

2017年10月2日月曜日

見えない文字

ログをみていると、サインアップに何度も失敗している事例を発見したので、調べてみたところ、メールアドレスの一部にUnicodeの「見えない文字」が紛れているらしいことを発見しました。

具体的には、
U+202A Left-to-right embedding (LRE)
です。

スマホで入力するうちに、自動的に挿入されるのかもしれません。

全角文字対策はすでに施してあったのですが、こちらは盲点でした。この種のプリントされない文字は全て削除してから処理するように、コードを修正しておきました。

2017年9月25日月曜日

メールの大量送信

サインアップやパスワードのリセットの際に必要なメール送信にこれまでGmailを使ってきたのですが、1日あたりの送信数が500通に制限されていることと、連続的に送信しようとすると拒否されるので、大福帳.js のサーバーにPostfixをインストールし、(ほぼ)送信専用で動かすことにしました。

気がかりなのは、一斉にサインアップした際の負荷もさることながら、送った通知が迷惑メールとして処理されてしまうのではないか、という点です。DNSにSPFレコードは追加してもらったのですが、他にも対策が必要かもしれません。

2017年9月10日日曜日

大福帳の不便益

数年前に、ある研究会に招いていただいて、私がやっている(教育とは全く関係のない)研究を紹介させていただきました。そこで、「不便益」について研究されている川上先生と出会いました。

いまの世の中、効率化や最適化が「善」と見なされ駆動されているわけで、教育とて例外ではありません。eラーニングもそういう文脈で語られることが多いように思います。

それに反して、大福帳というのは、あれこれ手間がかかります。はっきり言って「不便」です。明らかにやる気の無さそうな受講生にも、「なるほど。でも、学んでみようよ」、と、声をかけ続けたりするわけです。

大福帳とは、こうした不便を教員に強いるための装置なのかもしれません。そして、そうした面倒を通じて得られる不便益が、とても大切だったりするのではないかと。

2017年9月4日月曜日

教員からのひとこと

大福帳.js では、受講生の大福帳の右上に教員のプロフィール画像が(もし登録されていれば)表示されるようになっていて、そこをクリックすると、吹き出しで『ひとこと』が現れます。この機能について授業では全く触れなかったにもかかわらず、それを見た受講生から、「授業の度に『ひとこと』の内容を変えると良いのでは」、と提案がありました。

そこで、毎週、気候や私自身の気分などについて、『ひとこと』の中身を変えるようにしてみたところ、大福帳でそれに反応する受講生がじわじわと増えてきました。何でもそうかもしれませんが、小さな「変化」でも、関心を繋ぎとめておく上で重要なのだな、と、実感しました。


2017年8月24日木曜日

大福帳への書込みの量

これまで2つの授業で大福帳.jsを使ってみたところ、熱心に書き込んでくれる受講生は、成績の方も概ね良好のようでした。一方、書込みの回数や記述量が少ない者の中にも成績上位者が居たりします。試みに、大福帳への1回あたりの書込み量(文字数)と期末試験の成績を散布図にしてみたところ、両者にあまり相関は認められませんでした(相関係数は0.2 程度)。

ただ、1回の書込み文字数が60〜80文字を超えるグループの中には、目立って点数の低い者は無かったことから、書込みの量は「要観察」者を見つけるためのひとつの材料にできるかもしれません。そこで、受講者の一覧の中に「平均文字数」も表示するよう、改修してみました。

なお、受講者の書込み量は平均すると60文字程度でしたが、Twitterのツィート(日本語・本文のみ)の平均が33文字程度らしいので、日常的なテキスティングよりは沢山の内容を書き込んでくれているようです。